現在日本各地にさまざまな地鶏が存在し、いわゆるブランド鶏として出荷されています。
その中でも愛媛県で生産されている『媛っこ地鶏』は、四元交配(ロードアイランドレッド、名古屋種、シャモ、白色プリマスロックの4種類の鶏を交配)を行い、全国でも珍しい地鶏として注目を集めています。
今回味覚センサーにて測定したデータを元に、他の地鶏との味バランスを比較いたしました。
地鶏4種の2次元散布図
味覚センサーにて測定した結果から、特に鶏肉の味を表現している味覚軸を選択して作成した2次元散布図です。
上の図は旨味の強さを表しています。『媛っこ地鶏』は、口に入れたときに感じる旨味よりもその後に残る後味の旨さが強い傾向があります。 口に入れたときの柔らかい旨味が、その後も穏やかに持続します。
下の図は、弱い苦みや渋みに由来する味の複雑さをあらわしていますが、『媛っこ地鶏」は、比較的複雑な味わいが強くなっていますので、鶏肉としての単純な旨味だけではなく微妙な苦みが持つ味のふくらみを楽しむことができます。
地鶏ごとの味わいバランス比較
以下は地鶏ごとの味わいバランス比較です。
4元交配から得られた『媛っこ地鶏』ならではの味わいバランスの良さがお判りいただけると思います。
- 『媛っこ地鶏』は、口に入れたときに感じる旨味と後味の旨さのバランスが良く、どちらも適度な強さです。また、弱い苦みや渋みに由来する味の拡がりや奥行き感を併せ持っており、肉の旨味だけではなく地鶏が本来持つ複雑な味わいを楽しむことができることが特徴です。
さまざまな調味料とも相性が良いので薄い味付けのカルパッチョや、味噌鍋などでもで美味しくいただけます。
- 『名古屋コーチン』は、口に入れたときに感じる旨味の強さが特徴です。
- 『阿波尾鶏』は、雑味がおさえられており、どちらかといえば淡白な味わいです。
- 『さつま若しゃも』は、口に入れたときとその後に感じる旨味が強く、肉の旨味が前面に出ています。
※各数値は、季節やサンプルの個体差等の影響を受ける場合があります。
記載されている味覚データは、株式会社インテリジェントセンサーテクノロジーの味覚センサー(SA402B)にて測定、解析したものです。目盛りは相対値であり、「1目盛り≒濃度換算で20%の差人間が感じられる差異」と設定されています。
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