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(1) 魚の好き嫌いについて
・ 魚の好き嫌いについて尋ねると、「好き」、「どちらかというと好き」を合わせると95.6%でした。
・ 年齢別でも、全ての層で「好き」、「どちらかというと好き」を合わせた回答が9 割を超え、「日本人は魚好き」という結果が得られました。また、60
歳以上の「好き」は82.3%と高く、高い年齢層ほど魚好きが多い傾向にあります。 |
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(2) 魚を食べる頻度(5 年前比)
・ 5 年前と比べた魚を食べる頻度について尋ねたところ、全ての年齢層で「変わらない」が最も多い数字でした。
・ 「増えた」と「減った」を比べると、「増えた」が「減った」を25 ポイント近く上回わりました。また、「減った」割合は30
歳未満が16.1%と年齢層別では最も高く、若い世代で「魚離れ」の傾向が進んでいることが見て取れます。 |
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近年、消費者ニーズの変化で、若い世代を中心に、日本人の「魚離れ」が加速していると言われます。こうしたなか、魚の好き嫌いや食べる頻度に傾向があらわれているのか、検証してみました。
アンケート結果から、「日本人は魚好き」で、年齢が高くなるにつれてその傾向が強くなっています。魚を食べる頻度は、5 年前と比べて「変わらない」か「増えた」との回答が多く、魚を食べる量や購入金額は減少しているものの、魚の需要は底堅いと言えます。安価な回転寿司店の増加や魚を原料とする惣菜類や加工食品の充実が、需要を支える要因の1
つと思われます。
宇和海を中心に、愛媛では魚類養殖業が盛んです。特にマダイの生産量は、全国の半分以上を占め1位。アンケートでは、養殖マダイの生産量順位をどの程度認知しているのか尋ねました。 |
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愛媛の養殖マダイ生産量の順位を尋ねたところ、1 位が43.6%、2 位が14.2%、3
位が20.5%(実際の順位は1 位)となりました。
愛媛は上位にあると認識しているものの、1位との回答は半数弱でした。
国内の養殖魚生産量は、ブリ類に続きマダイは2 位となっています。愛媛は両魚種とも生産量が上位にありますが、日本一の養殖県としての認知度は、まずまずだと思われます。
四国では、高知のカツオや鳴門のタイなどの知名度が高いのですが、愛媛の養殖魚も、高い生産量シェアを誇っています。今後、このような生産量シェアを強みとしたPR
を行えば、消費拡大につながるものと思われます。
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わが国では、多種多様な魚が漁獲、養殖されています。消費者はどのような魚を好んで食べているのか、また、その地域性について検証してみました。 |
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(1) 地域別の特徴
・ 主な10 魚種の中から、好んで食べる魚について尋ねると、全体でほぼ半数の人が「マグロ」や「サケ」と回答しました。このほか、東日本では「サンマ」、「サバ」、「カレイ」なども多くみられます。西日本では、「アジ」や「ブリ・ハマチ」などが多く、好みには地域性が見られました。
・ 全体で「マダイ」は16.1%(7位)で他の魚種に比べて低い水準となっています。 |
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(2) 「マダイ」の地域性
・ 「マダイ」を好む割合は、「四国」29.8%、「九州・沖縄」26.4%、「近畿」25.7%などに対し、東日本では1 割前後にとどまりました。
西日本では、明石や鳴門など知名度の高い天然マダイや、愛媛や熊本、三重など全国有数の養殖マダイ産地が存在するため、好む割合が高くなっているようです。
好んで食べる魚は、全体的に「マグロ」や「サケ」が多く、「マダイ」の好みには「西高東低」の傾向が顕著に見られることから、実態に即したPR
や販売方法が求められます。
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・ 天然魚と養殖魚の違いの認識では、「天然魚」の値段が高い( 92.6%)、味が良い(71.0%)などの回答が多くなっています。
・ 鮮度や安全性、見た目では「変わらない」との回答が4〜5 割程度で最も多いものの、相対的には、「天然魚」のほうが良いという回答が多くなっています。
低価格志向が強いなか、消費者は、養殖魚が天然魚より価格面で優位だと消費者は認識しています。生産・流通業者は、養殖魚と天然魚の味や鮮度などが変わらないこと、養殖魚の安全性や安定供給などのメリットを、消費者に正しく理解してもらえるよう、PR
することが求められます。
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日本人は、全体的に魚好きで魚を多く食べており、魚に対する需要は根強いことが見て取れました。
一方、若い世代の魚離れや好む魚の地域性も見られます。消費減少や魚価低迷で厳しい状況が続く国内の漁業・魚類養殖業界にとっては、このような消費者ニーズを的確に捉えた生産・販売方法を検討する必要があるでしょう。また、安定した生産が可能な「マダイ」などの養殖魚は、世界的に需要の拡大が見込まれる中国など海外市場への展開も求められます。 |
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