鯛やエビなど新鮮な海の幸を素焼きの焙烙(ほうろく)鍋で蒸し焼きにする「法楽焼き」は、しまなみ海道沿いの地域では村上水軍が戦勝の宴を催した時の料理といい、鯛を主役にして海の幸をちりばめた豪快な料理です。
水軍が使った「焙烙玉」という爆弾にちなむといい、村上水軍の軍法書『合武三島流船戦要法』には、火薬を詰めた張り子の玉を火術として使うと書いてあります。
焙烙鍋のなかに小石を敷き、塩をふった魚介類を置いて蓋をします。約20分火にかけて蒸し焼きにすると、余分な水分を小石が吸い取り、素材の味を活かしてふっくらと蒸し上がります。できた魚介類を二杯酢などで味わいますが、なぜか鍋の片隅に玉子が置かれています。
※土井中照著『愛媛たべものの秘密』(アトラス出版)を参照しています。
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